初めての転職活動で、職務経歴書の作成に戸惑う人も多いでしょう。どのような内容を記載すればよいか、どこまで詳細に書くべきか悩むのは自然なことです。
職務経歴書はあなたのキャリアを効果的にアピールできる重要な書類であるため、慎重に作成する必要があります。そこでこの記事では、職務経歴書に記載すべき内容や書き方のポイントを分かりやすく解説します。採用担当者の目に留まる職務経歴書を作成して転職を成功させましょう。
職務経歴書とは?

職務経歴書とは、過去の経歴や職歴、業務内容、実績などを詳しく知るための書類であり、転職活動には欠かせないものです。
転職未経験の人の中には、履歴書との明確な違いが分からない人もいるかもしれません。履歴書は、応募者の学歴や職歴といった基本的な情報を確認するものであり、職務経歴書とは以下のように目的や書き方が異なります。
職務経歴書 | 履歴書 | |
目的 | 入社後に活躍できる人材か見極めるため | これまでの経歴を確認するため |
書き方 | 経歴に応じて、職務要約を先に書く、経歴を先に書くなど書式は異なる | 氏名・住所・連絡先・学歴など、基本的なプロフィールを順に記載 |
転職では即戦力や業務に役立つスキルをもつ人材を求めている場合が多いです。そのため、経歴や実績を詳細に記載する職務経歴書は、採用の可否をも左右するといっても過言ではありません。
職務経歴書で、具体的な業務内容や実績、培ったスキルを詳しく記載することで、経験や強みをアピールできます。初めて職務経歴書を作成する場合、書き方に迷うかもしれませんが、基本的なポイントを押さえておけば、効果的に自分の強みを伝えられるでしょう。
職務経歴書に記載すべき内容〜書き方を例文付きで解説〜

職務経歴書の書き方はフォーマットにより多少異なるものの、概ね以下の4項目は必須となります。それぞれ例文付きで解説します。
職務要約
職務要約は、あなたの経歴を数行でまとめた部分です。短いですが、これまでのキャリアの全体像や強みを的確に伝えましょう。
ただし、詳しい職務経歴は後述するため、ここでは簡潔な記載に努めます。多くのフォーマットでは、職務要約が最初に目に入る箇所なので、強い印象を与えたいものです。
「◯◯業界専任の営業として8年以上のキャリアがございます。新卒から一貫して営業職を担当しており、新規顧客開拓・既存顧客へのフォローアップ両面で実績を積み重ねて参りました。直近では年間売上目標を150%達成し、チームリーダーとして10名のマネジメントをしております。」
「エンジニアとして7年のキャリアがございます。金融系のシステム開発・インフラ運用管理を得意領域としており、◯名規模のプロジェクトのリーダーを◯年務めておりました。プロジェクトの進行管理に加え、チーム全体のスキルアップに尽力し、クライアントからの高評価獲得を実現させました。」
職務経歴
職務経歴には、これまでの職歴(企業・在籍期間・業務内容・実績など)を詳細に記載します。具体的にどのような業務に従事してきたかも明記しましょう。職歴が多い場合は、重要なポイントを中心にまとめると効果的です。
時系列順に書くか、さかのぼって書くかはフォーマットにより異なります。フォーマットについては後述するため、自分に合ったものを選択しましょう。
資格やスキル
資格やスキルの欄では、職務に関連する資格や技術を記載します。例えば、以下のような記載の仕方があるでしょう。
- TOEIC900点:文書作成・プレゼン・電話会議への参加が可能
- Excel:マクロの作成が可能
- PowerPoint:アニメーションや図形を使用したプレゼン資料の作成が可能
- 普通自動車第一種運転免許(〇〇年〇月取得)
資格の名称だけでなく、できるだけ具体的な記載が求められます。また、業務でどのように活用したかを簡潔に説明できると良いでしょう。採用担当者にとって、そのスキルが実際に役立つかどうか分かるように記載すると好印象です。
自己PR
自己PR欄は、これまでの経験を踏まえて自分の強みを最大限にアピールする場です。特に、自分が他の応募者と差別化できるポイント、応募先に活かせるポイントを具体的に記載しましょう。
過去の経験から得た学びやスキルを、今後のキャリアにどう活かせるか、分かりやすく伝えてください。
「新卒で入社して以来8年間、営業として新規顧客開拓や既存顧客のフォローアップに注力してきました。
コミュニケーション能力と問題解決力に強みがあり、特に顧客のニーズを的確に把握し、柔軟な提案を行うことで、3年連続でチーム内トップの売り上げ実績を達成しました。
貴社でも顧客満足度の向上と売上拡大に貢献できるよう努めて参ります。」
職務経歴書を作成する際のポイント

職務経歴書を作成する際には、単に過去の経歴を列挙するだけではなく、採用担当者に自分の魅力を的確に伝える工夫が必要です。ここでは、職務経歴書を効果的に作成するための重要なポイントを解説します。
キャリアの棚卸しをする
職務経歴書を作成するなら、まず自分のキャリアを棚卸しすることが大切です。
過去の職務経験や実績、スキルを振り返り、どのような成果を上げたのか、何を学んだのかを明確にします。具体的には、業務内容・仕事の目的・取り組み・成果を振り返って書き出すと言語化しやすいでしょう。
キャリアの棚卸しを通じて、自分の強みや得意分野を再認識でき、転職先とのミスマッチも防ぎやすくなります。より具体的で説得力のある職務経歴書を作成するために、ぜひ取り組んでください。
企業研究をする
職務経歴書を作成する際には、応募先の企業に関する情報をしっかりとリサーチしましょう。職務経歴書は、採用担当者に「この人を採用したら活躍してもらえる」と思わせることがカギです。
企業のビジョンや事業内容を理解し、それに合わせた職務経歴書を作成することが大切であり、そのためには企業研究が欠かせません。
どんなスキルが求められるかを把握して職務経歴書を作成し、採用担当者に対して「この企業で貢献できる」とアピールしましょう。
見やすく作成する
職務経歴書は内容だけでなく、見やすさも非常に重要です。採用担当者は多くの応募者の職務経歴書を短時間で確認するため、読みやすいフォーマットやレイアウトが求められます。もちろん誤字脱字はNGです。
そのため、手書きよりパソコンで作ると良いでしょう。また、長ければ良いわけではないので、ボリュームはA4で1〜2枚、長くても3枚程度におさめてください。長すぎず、簡潔にまとめること心がけましょう。
※ただし、「過去の経験社数1社に対して1枚」というボリューム感は問題無いため、5社経験した方が職務経歴書が5枚になる、などは問題ありません。
面接対策も考慮して作成する
職務経歴書は、書類選考の材料になるだけでなく、面接にも影響するものです。
職務経歴書に記載した内容が面接で質問されることも少なくありません。書いた内容に対して具体的に説明できるよう準備しておきましょう。。また、自己PRや成果についても、面接時に詳細に伝えられるよう、エピソードや数値データなどを盛り込みましょう。
面接の場で自分をアピールするための材料として、職務経歴書を活用してください。
職務経歴書に関するよくある疑問
ここからは職務経歴書に関するよくある疑問に答えていきます。
職務経歴書はスマホでも作成できる?
職務経歴書を作成するなら、パソコンの方が楽ですが、スマホでも作成は可能です。
スマホで作成するなら、以下のアプリやサービスがおすすめです。提出する方法に合わせて選ぶと良いでしょう。
ヤギッシュ | Canva | anata | |
特徴 | 項目に沿って入力するだけで作成できる | テンプレートが多数あり、さまざまな業種に対応したデザインが展開されている | スマホで項目を入力することで簡単に作成可能。ブラウザ上で操作するため、アプリも不要 |
出力 | pdf・メール送信 | pdf・URLなど | URL・pdf |
対応OS | iOS・Android | iOS・Android | iOS・Android |
職務経歴書にアルバイトの経歴は書くべき?
アルバイトの経歴は職務経歴書に書いても構いません。ただし、アルバイトの経歴すべてを書けば良いわけではないため注意してください。
例えば、正社員に近い働き方をしていた、応募先の企業で活かせる経験をした、といった場合なら記載した方が良いでしょう。
あまりに短期間のアルバイトや応募先の企業と関係のないものまで記載すると、冗長になるばかりか簡潔さが失われてしまいます。そのため、応募先に合わせて柔軟に考える必要があるでしょう。
職務経歴書のフォーマットはどれが良い?
よく使われる職務経歴書のフォーマットは3種類あります。さかのぼって書く「逆編年体形式」、履歴書に近い「編年体形式」、業務別に書く「キャリア形式」の3つです。
逆編年形式が比較的よく使われますが、社会人年数が短い人や転職が多い人は、別の形式が良いかもしれません。以下の表に違いを簡単にまとめました。自分の経歴に合ったものを使いましょう。
※なお、弊社サービスでは「逆編年体形式」で作成しています。
逆編年体形式 | 編年体形式 | キャリア形式 | |
特徴 | 新しい経歴からさかのぼって書くタイプ | 履歴書のように古い経歴から書くタイプ | 業務内容別に書くタイプ |
おすすめ | 一般的なので幅広く使える | 社会人としてまだ年数が短い人 | 転職が多い人キャリアアップをアピールしたい人 |
職務経歴書に書ける実績がないときは?
職務経歴書に書けるほどの実績がないとお悩みの人もいるでしょう。
実績があまりないと感じていても、業務を通じて学んだことや改善に貢献した点、チームの一員として果たした役割に焦点を当てるとアピールポイントが見つかるかもしれません。
それでも難しいと感じるなら、職務経歴書の作成を代行してもらうのも1つの選択肢でしょう。転職のプロが丁寧にヒアリングすることで、自分ならではの強みが見つかる可能性があります。お悩みの方は代行も検討してみましょう。
まとめ|採用担当者の目に留まる職務経歴書を作成しよう
職務経歴書は、キャリアやスキルを採用担当者に伝えるための大切なツールですが、転職活動が初めてであると、作成に腐心するかもしれません。その際は、キャリアの棚卸しや企業研究を通じて、自分の強みを明確にすれば、書きやすくなるはずです。
それでも職務経歴書の作成が難しければ、パティオムへご相談ください。丁寧なヒアリングで、あなたの強みを深掘りして転職に役立つ職務経歴書を作成いたします。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。