転職回数の多い人にとって悩ましいのが、職務経歴書の職務要約の書き方でしょう。
複数の職場での経験をどのようにまとめれば良いか、どこに焦点を当てるべきか悩む人は少なくありません。
しかし、転職回数が多いことは必ずしもネガティブな要素ではなく、上手くアピールすれば長所にもなります。この記事では、職務要約の重要性と、転職回数が多い人が自分の経験を活かしてアピールする方法について解説します。採用担当者に詳しい経歴を読みたいと思わせる職務要約を作成しましょう。
職務経歴書における職務要約とは

職務経歴書における職務要約とは、これまでのキャリアを短くまとめ、あなたの強みや実績を簡潔に伝える項目です。特に転職回数が多い場合、職務要約の書き方次第であなたのキャリアを効果的に伝わるかが決まります。
職務要約は職務経歴書全体の「つかみ」の部分ともいえ、応募先企業の採用担当者の多くは最初に目にするでしょう。そのため、多数の応募者の書類に目を通す採用担当者に「この職務経歴書の詳細を読みたい」と思わせることが大切です。
職務要約の重要性
職務要約は、採用担当者が短時間であなたの全体的な職歴や強みを理解できるようにするための重要なつかみの部分です。
職務経歴書全体の中で最も注目されやすい箇所であり、最初の印象を左右します。職務要約で魅力的な内容を提示できれば、さらに詳細な経歴に興味を持ってもらえるでしょう。逆に要約が抽象的であったり、具体性に欠けていたりすると、印象が弱くなる恐れがあります。
職務要約で採用担当者が重視するポイント
採用担当者が職務要約で重視するのは、あなたの経験が募集内容にマッチしているか、企業にとってどれだけ価値があり貢献できそうか、という点です。
そのため、単なる職務の羅列ではなく、あなたのキャリアがどのように発展し、どのようなスキルを培ってきたかを明確に伝えましょう。また、転職回数が多い場合は、その多様な経験をどのように次の職場で活かすか、採用担当者が納得できる形で示したいものです。
転職回数が多い人が職務要約でアピールできるポイント

3社、4社以上のように複数社で職歴があると、「転職回数が多いゆえに不利にならないか」と心配になるかもしれません。しかし職務要約を工夫することで、転職回数が多くても、あなたのキャリアを魅力的にアピールできます。多様な経験やスキルを活かし、採用担当者にポジティブな印象を与える記載をしましょう。ここでは、転職回数が多い人が職務要約でアピールできる具体的な方法について例文を交えながら解説します。
多様な経験を強みにする
転職回数が多いことは、さまざまな職場で多様な経験をした証拠です。この多様な経験を、柔軟性や適応力の高さとしてアピールするのも良いでしょう。
また例えば「複数の業界で業務を経験し、幅広い視野と問題解決能力を培いました」「複数の企業でコミュニケーション力や提案力を養いました」といった書き方も良いかもしれません。異なる業界や職種での経験は、さまざまな状況に対応できるともアピールできます。
複数社の経験を自己成長の材料として捉え、次の職場でどう役立てるかを強調できると良いでしょう。
一貫性を打ち出す
転職が多い場合、職務要約では経歴に一貫性を持たせることが大切です。職務内容や担当してきた業務の中で共通する要素を見つけ、それを強調することで一貫したキャリア形成をアピールできます。
例えば、「一貫して営業職を担当し、新規顧客開拓や売上向上に貢献しました」といった書き方であれば、転職が多くてもキャリアの方向性にブレがないことを示せるかもしれません。採用担当者に、あなたが強みを磨いてきたことをアピールしましょう。
キャリアアップやスキルを強調する
転職が多い場合、それぞれの職場でのキャリアアップや新たに習得したスキルを強調すると、職務要約が魅力的になります。
単に転職回数を列挙するのではなく、「前職ではマネージャー職に昇進し、チームを率いて業績向上を達成しました」や「最新のデジタルマーケティングスキルを習得し、戦略立案に貢献しました」といった形で、具体的な成果を示すと良いでしょう。
キャリアの進展やスキル向上を強調することで、複数社での経験がプラスの印象になるはずです。
職務要約の書く際の注意点

職務要約は、職務経歴書の中でも非常に重要なパートです。採用担当者に短時間であなたの強みを伝えるためには、いくつかのポイントをおさえておきましょう。以下では、職務要約を効果的にまとめるための注意点を解説します。
200〜300文字程度にまとめる
職務要約は、あまり長く書かず200〜300文字程度に簡潔にまとめましょう。
採用担当者は非常に多数の応募者の書類に目を通すため、短い時間でチェックしたいものです。そのため、1分程度で読める文量を目安にしましょう。もちろん、自分の強みや業務経験の中で特に目立つ実績を中心に記載し、しっかりと印象を残せるよう心がけてください。
募集に対してアピールできる内容にする
職務要約を書く際は、応募する企業や職種に関連した内容を盛り込むことが欠かせません。
一度、職務経歴書を作成したら職務要約もそのままで使いまわしたくなるかもしれませんが、応募先に応じて変える必要があります。
企業研究をするのはもちろんのこと、募集内容に応じてスキルや実績はアピールの仕方を変えると良いでしょう。
複数社での経験があるなら2〜3社に絞る
転職回数が多い場合、すべての職歴を職務要約に盛り込む必要はありません。特に多くの企業で勤務してきた場合は、最も関連性の高い2〜3社の経験に絞って記載すると効果的です。4社以上経験があっても、すべてを盛り込むと内容が散漫になるおそれがあります。
応募先と関連性が強い職歴から2〜3社ピックアップして職務要約に重要なポイントを書きましょう。
転職回数が多い人が職務要約で悩みがちなこと
職務要約を書く際に、転職回数が多い人ならではの悩みがあるものです。ここからは転職経験の多い人がよく直面する疑問に対して答えていきます。職務要約を効果的にまとめるためのヒントにしてください。
職歴やすべて書かなければいけない?
転職回数が多い場合、職務要約にすべて書く必要はありません。前述した通り、2〜3社ピックアップして募集内容に関連性の高い内容を盛り込むと効果的です。
ただし、職務経歴の欄には、すべての職歴を書く必要があります。転職の多さを気にして省略したくなっても、略さずすべて書いてアピールにつなげましょう。雇用保険の加入回数から転職の回数が発覚する可能性もあるため、虚偽の記載はしないでください。
異なる職種の経験はどう書けば良い?
転職回数が多く、異なる職種での経験がある場合でも、共通点を見つけて職務要約にまとめましょう。
例えば、営業職と事務職という異なる職種や業種を経験した場合でも、コミュニケーション能力や問題解決スキルなど、共通するスキルに焦点を当てると良いかもしれません。また、職種が異なっても、それぞれの経験がどのように次の仕事に活かせるかを明確にできれば、転職回数をプラスにアピールできるでしょう。職務要約は、自分の経験の中で企業に貢献できる部分を意識して記載してください。
職務要約は何社くらい書けば良い?
職務要約に記載する企業数は、基本的に2〜3社に絞りましょう。
転職回数が多い場合でも、すべての企業を記載する必要はなく、特に関連性が高い職務経験にフォーカスすることで、内容を凝縮できます。重要なのは、職務要約で応募先の企業にとって有益な情報を提供することです。そのため、アピールできる経験や実績が得られた企業をピックアップして、職務要約にまとめましょう。
すべての職歴を書くなら職務要約はいらない?
職歴をすべて記載するのは基本です。職務要約はそのうえで必要であり、記載した方が有利となります。
採用担当者は多数の書類に目を通さねばならず、職務要約がなければ職務経歴の長い文章を読む必要が生じ、後回しにされるおそれがあるためです。
職務要約があることで強みを強調しやすくなるため、面倒でもきちんと記載しましょう。
まとめ|転職回数が多くても職務要約で採用担当者の気持ちをつかもう
転職回数が多い場合でも、職務要約を工夫すれば自分のキャリアをポジティブにアピールできます。
多様な経験やスキルを強調することで、キャリアの一貫性が伝わり、採用担当者に好印象を残せます。職務要約では、すべての職歴を記載する必要はなく、特に関連性の高い経験に焦点を当ててまとめましょう。
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