転職理由は、面接で必ずと言っていいほど聞かれる質問です。しかし、「どのように伝えれば好印象を与えられるのか」「具体的な例文が欲しい」と悩む人も多いでしょう。
そこでこの記事では、よくある12の転職理由とその例文、伝え方のポイントや避けるべきNG例も解説します。自分らしい転職理由を準備して、自信を持って面接に臨みましょう。
よくある転職理由12選と回答例文
転職理由は、面接官にあなたのキャリアの方向性や仕事に対する価値観を伝える重要なポイントです。しかし、どのように伝えれば良いか悩むことも多いはず。
そこでここからは、よくある12の転職理由と、具体的な回答例文を紹介します。面接で説得力のある答えができるよう参考にしてください。
職場環境の改善が理由の場合
長時間労働が常態化している、職員間のコミュニケーションが不足している、環境が悪いなどにより、転職したいと考える人もいるでしょう。しかし、そのまま伝えると不満ばかりになりがちなので、効率的な働き方のようなポジティブな表現にして伝えるのがおすすめです。
現在の職場では長時間労働が常態化しており、ワークライフバランスが取れない状況です。今後は、より効率的な働き方が可能な環境で、成果を上げながら自己成長を目指したいと考えています。
年収をアップさせたい場合
転職によって今の年収をアップさせたいと思う人は多いでしょう。しかし、「現職の給料が安い」「応募先の年収が高かったから」などと直接的な伝え方はあまりおすすめできません。年収が理由であれば、評価制度にからめて伝えると良い印象を与えられるでしょう。
現在の職場では年収が一定水準に固定されており、実績が評価されず給与に反映されにくい状況です。御社では、これまでの営業経験を生かし、実績に見合った評価をいただけると考え、応募いたしました。
キャリアチェンジしたい場合
未経験ではあるものの、これまでと異なる業種にチャレンジしたい場合や新しいことに挑戦したい場合もあるでしょう。しかし、ただそのまま伝えたのでは、即戦力を求める企業にとっては、採用するメリットがありません。そんな時は、これまでの経験で関連する部分や自発的に学んだことなどを活かせる旨を伝えるのも1つの方法です。
現職では営業として顧客対応を中心に行ってきましたが、システム開発に関心があり、エンジニアとしてキャリアを積みたいと考えています。独学でプログラミングを学び、小規模なアプリ開発も経験しました。このスキルを生かし、新たな分野で挑戦したいと思っています。
キャリアアップを目指す場合
さらに専門性を高めたい、高度なプロジェクトに携わりたくても、今の職場では叶わない場合もあるでしょう。そんな時は、これまでの経験や実績、スキルを伝えつつ、キャリアアップを目指している旨を伝えると良いかもしれません。
現職では3年間、プロジェクトリーダーとして経験を積みましたが、より大規模な案件に携わり、組織全体に影響を与えるポジションに挑戦したいと考えています。御社の幅広い事業領域で新たな価値を生み出し、貢献したいと思い志望しました。
家庭や生活環境の変化を理由にする場合
介護や育児、配偶者の転勤なども転職の理由として少なくありません。また、家庭と仕事を両立したい、通勤の負担を減らしたいといった人もいるでしょう。
このような場合、特に本当の理由を隠す必要はありません。また、育児や介護の場合は隠せるものではないため、正直に伝えた方がベターです。
家族の転勤に伴い、住居を移す必要がありました。新しい地域でもこれまでの経験を生かして働き続けたいと考え、御社の求人に興味を持ちました。地域に根差した事業展開に貢献したいと考えています。
会社の将来性に不安を感じた場合
会社の業績が低迷すると、不安から将来性を感じられる企業に応募したくなるものです。しかし、どの企業も常に順風満帆で業績が上がり続けるわけではありません。
そのため、現職にふれるのはそこそこにして、成長を感じられる企業で働きたい、といったニュアンスで伝えると良いでしょう。
私は成長環境でスキルを高め、将来にわたり価値を提供できる人材になりたいと考えています。御社の成長性と事業の安定性に魅力を感じ、応募いたしました。
スキルの限界を感じた場合
今の職場では、仕事を通して成長できる機会がないと感じる人も少なくありません。さらなる成長をしたいと思い転職を考えているなら、その前向きな姿勢をそのまま伝えると良いでしょう。
現職ではルーチン業務が多く、新たなスキルや知識を深める機会が限られています。御社のダイナミックなプロジェクトに携わり、専門性を磨くことで、さらに価値を提供できる人材を目指したいと考えています。
グローバルな環境で働きたかった場合
キャリアを積み上げるうちに、国際的なプロジェクトをはじめグローバルな環境で仕事をしたいと思う人もいるはずです。この場合は、これまで得てきた経験やスキルを活かしたいといった具体に伝えると良いでしょう。
私はグローバル案件に携わりたいと考えております。現職では国内案件が中心ですが、御社では海外市場に展開している事業が多く、これまで培った語学力や文化理解を活かせると感じ、志望しました。
自分のアイデアを活かしたかった場合
今の職場はトップダウンで、自分の意見やアイデアがなかなか反映されない、という人もいるでしょう。
自分のアイデアを取り入れて欲しい、創造性を活かしたいといった場合は、応募先企業の企業風土を踏まえたうえで、率直に伝えると良いかもしれません。
現職では、アイデアを提案する機会が少なく、業務改善や新規提案が十分に活用されない状況です。御社では、従業員の意見を積極的に取り入れる風土があり、自分の提案力を発揮できると考えています。
副業や自己実現を支援する企業を求めた場合
会社での仕事以外に、副業や自己実現を叶えられる環境で働きたいと考える人も多いでしょう。しかし、副業解禁の世の中になっても、率直にそのまま伝えれば、副業で稼ぎたいだけと思われるかもしれません。
そのため、柔軟な働き方をしたい、副業で得たものを会社に活かしたい、といった言い換えをするのも1つの方法でしょう。
私は副業で〇〇を行っており、そこで得た知識を本業に活かしたいと考えております。御社のように柔軟な働き方を推進する企業で、双方の経験を相乗的に活かしていきたいと考えて応募いたしました。
組織運営に携わりたかった場合
これまで現場での実務経験を積んできて、次のステップとしてマネジメントに挑戦したいと考える人は少なくありません。前向きな理由であるため、そのまま伝えても構いませんが、これまでの経歴をどう活かせるか絡めながら説明できると良いでしょう。
現職では現場業務が中心ですが、経営に近い立場で組織全体を改善する役割を担いたいと考えています。御社では、部門間の連携を深め、業務効率化に貢献できると感じ、志望しました。
働き方改革を重視した場合
働き方改革が叫ばれるものの、今の職場では叶わない人も多いでしょう。そのため、フレックスタイムやテレワーク、特別休暇などの制度が整っている企業は魅力的にみえるものです。この場合は、ワークライフバランスを絡めながら理由を伝えると良いでしょう。
私はワークライフバランスを重視する環境で働きたいと考えています。現職では休日出勤が多く、家族との時間が確保できていません。御社では柔軟な働き方が可能と伺い、私の理想に近いと感じています。
転職理由のNG例
転職理由はさまざまですが、多くの場合は本音をそのまま伝えない方がベターでしょう。理由によっては、ネガティブな印象を与えてしまう可能性があるためです。
ここからは、避けるべきNG例を取り上げます。うっかり口にしないよう気をつけましょう。
不満だけを伝える
「現職の給与が低過ぎる」「人間関係が悪い」といった理由で転職を考える人は少なくありません。しかし、現職の不満ばかりを伝えるとネガティブな印象が強くなってしまうため、避けましょう。
一見、ネガティブな理由でも、ポジティブに転換できます。「転職理由をポジティブに言い換えて好印象を与えよう!例文もあわせて紹介」の記事を参考にして、現職の不満をポジティブに言い換えて、好印象を与えましょう。
抽象的で曖昧な理由
「新しい環境で頑張りたい」や「別の職場に興味がある」といった曖昧な表現は、説得力に欠け、面接官に意欲が伝わりません。
それでも具体的な理由が思い浮かばないなら、これを機にキャリアプランや目標を見直すと良いでしょう。自分が何をしたいか、どのような働きたいかが明確になれば、おのずと転職理由にも表れるはずです。採用担当者に伝わる具体的な理由を考えましょう。
転職理由を伝える際のポイント〜好印象を与えよう〜
転職理由をうまく伝えるには、いくつかコツがあります。応募先企業に響く理由にカスタマイズすること、面接官の視点を意識することが鍵です。ここからは、転職理由を効果的に伝えるための具体的なポイントを紹介します。
面接官の視点を意識する
転職理由を伝える際は、応募先の企業に対するポジティブな意欲を強調しましょう。採用担当者が重視するのは「入社後にどのように貢献できるか」です。
転職理由は過去の出来事に留まらず、未来の目標や貢献への意欲を伝える内容にしましょう。
応募先に合わせて理由をカスタマイズする
転職理由がかたまっても、そのまま複数の企業に使い回しせずに、応募する企業の事業内容や求める人物像に合わせてカスタマイズしましょう。
そのためには、事前の企業研究が欠かせません。企業の求める人物像に合わせた理由を述べられるように準備しましょう。
まとめ|例文を活用して自分らしい転職理由を作ろう
転職理由をどう述べるかは、面接での印象を大きく左右します。しかし、本音をそのまま伝えると良くない場面も多いものです。
そのため、この記事で紹介した例文を参考に、自分の経験や目標に合った理由を考えましょう。基本的にはポジティブかつ具体的であることが大切です。採用担当者に好印象を与え、転職活動を成功へと導きましょう。
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